「なんにもない」の持つ魅力

青森は本州の最北端にある、さいはて感の強い県。青森市内に祖母がいる私は、イメージほど遠くは感じませんが、未踏の地である三戸は、気持ちの上でアスパムよりもはるか彼方にある町です。

東北新幹線の開通前は、特急はつかり号や寝台特急はくつる号に乗って三戸駅を通過していましたが、車窓から景色を眺めるだけで降りたことはありません。

青森育ちの母も、あまり八戸周辺のことはわからない様子。
「言っていることがよくわからないのよ」と聞くたびに(大げさだなあ)と思っていましたが、のちに南部弁と津軽弁は、挨拶からして違うと知りました。

関東から見ると、青森県はまだまだ未知のワンダーゾーン。
青森や弘前には何度も訪れていますが、八戸にはなかなか縁がありません。
そこで去年の夏、青森駅から目時駅を結ぶ青い森鉄道線の1日フリーパスを使ってみました。

(せっかくだから、路線の端から端まで行ってみよう)と思いましたが、どの便もなぜか八戸止まりで、終点の目時駅まで行きません。
おかしいなと思って八戸の駅員さんに尋ねると「目時?なんにもないけど、なぜ行くの?」と逆に聞かれました。
まさか質問されるとは思わずに、「なぜって、ええと・・・」としどろもどろの私。
「八戸から先は、岩手まで何もないし、行ったら今度、帰ってくるのが大変だよ」と更なる揺さぶりをかけられました。

そうなると、目時はどれほど“なんにもない”駅なのか、かえって知りたくなるものですが、そこまで言って心配してくれている駅員さんの好意を無にするのも気が引けます。
≪土地の人の意見に従う≫というのが私の旅のモットー。
結局「じゃあ、やめます・・・」とあきらめ、三戸まであとちょっとのところまで来ていながら、行かずじまいとなったのでした。
(ああ、チキンハート)

青い森鉄道線の終着駅なのに、ターミナルではないという目時駅のことが、それからずっと気になっています。
そして三戸駅は三戸町にはないのですね。まあ、品川駅も品川区になく、目黒駅も目黒区にはありませんが。

青森南部の三戸は、りんごとにんにくの産地。
去年八戸で『第1回世界黒にんにくサミットin青森2016』のポスターを見かけて、心動かされました。

田子をはじめとするこの辺り一帯は、黒にんにくのメッカです。
晴れたる第1回目が世界に先んじて青森で開催されるとは、なんて素晴らしいことでしょう。
参加したかったのですが日程が合わず、その無念な気持ちは、後日弘前で行われた『最強毛豆決定戦2016』に審査員参加できたことで、ようやく収まりました。

今年もそうした地場地産のイベントがありましたら、是非とも参加したいものです。

三戸町の近隣の町や村も魅力豊かです。田子町のにんにくに、新郷村のピラミッドやキリストの墓も見逃せません。
また日本一高い三重塔のある南部町の法光寺は、鎌倉幕府第5代執権、北条時頼が建てたお寺だというのも気になるところです。
時頼は、元寇を防いだ時のヒーロー、第8代執権、北条時宗のお父さん。
相模の国から遠く離れた北の土地にお寺を建てたそのいきさつに、神奈川県民として興味津々です。

熊原川、馬淵川、猿辺川の流れる三戸町。動物の名前ばかりなのはなぜかしら。
そんな山川を駆け巡るマタギたちの、秘密のエネルギー源といわれる「ガマズミ」も、ぜひ食べてみたいものです。

また、三戸には「どんべり」というお酒があるそうですね。ピンドン(ピンクのドンペリ)ならぬ、サンドン(三戸のどんべり)!
北の南部で飲むドンベリは、また格別の味でしょう。

自然豊かでミステリアスで、おいしいものの多いあたり。
ああ、だから私は、三戸町に行ってみたいのです。

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